第二巻 第十三話 千灯鎮の灯り祭り
第十三話 千灯鎮の灯り祭り
夕方、夕陽に照らされている街は、とりわけ風情がある。
すべての家は窓の前に様々なちょうちんをつるした。
街中はとっくにちょうちんをつるし、色絹を飾り付けられていた。各店舗は閉店の時間を延ばし、こうこうと明かりをつけた。街の店は数えきれないほど多い。黄金の店、もち団子の店、飯の店、布・服装の店、靴の店、裁縫の店、ベルトの店などなど、食べ物から、着るもの、使うものまで、なんでもある。
诺雲一行は駆け馬に鞭を打って街についたら、蔡允はもう柴橋の下で長く待っていた。「あら、允ちゃんはもうついた!」诺雲は先に蔡允を見て、馬から下りて駆けて行った。
「こむすめ!」恒裕杭は不満そうな顔をしていた。
そばにいる穆炎は、目を細くした。
蔡允は恒诺雲を見た時の微笑みは、小さい頃自分と一緒に遊んだ時、見せた微笑みと同じようだ。これは大人になってから、めったに見かけられない。このことから、蔡允はもう诺雲を自分の人と見ていることがわかった。蔡允の微笑みは、彼が恒裕杭と穆炎を見た一瞬、固まった。
蔡允:「あなたのお兄ちゃん。。。。」
诺雲:「はい!お兄ちゃんも元宵節灯り祭りを見たことがない!」
蔡允:「そばにいる方は。。。?」
诺雲:「穆炎、穆隊長。お父さんの守衛隊長。今日はわたしを守りに来た!」
蔡允:「わたしとお兄ちゃんがいる。彼が要らないじゃない?。。」
诺雲:「はい!。。。彼はすごいよ!おそらくあなたよりすごいだろうなあ!」穆炎の話になると、诺雲は自慢そうな顔になった。「とにかく、彼がいるから、我々は安心すればよい。」
蔡允:「彼はすごそうに見える。」蔡允は穆炎をちらっと見て、ぷんぷんと答えた。
一行四人は、馬を橋の傍の木の下に縛って、街に向かって歩いていった。
恒裕杭も恒诺雲と同じように、初めてお祭りに参加したので、好奇心をもって、厳しそうな顔をしてきょろきょろ見ていた。
恒诺雲は、もう束縛のない馬のように、最初のアクセサリーの店に駆けこんで、中のものをゆっくり触って見た。
「あくまでも女の子だね。」穆炎はため息をついた。それから、みんなと一緒に店に入った。
诺雲はこの時、銀で作られた馬頭のベルトを手で触って、見てはまた見ていた。兵営の中では朝廷の制服ばかりなので、このようなベルトをつける人はめったにみかけない。このベルトは本当にきれいだ。
恒裕杭:「オーナー、これはいくらか?」恒裕杭は気にいったようだが、値段については心細かった。「これは、普通のあいくちより高いことはないだろう。。。?」恒裕杭はこそこそ計算していた。
オーナー:「二十文。」
恒裕杭:「十文?」恒裕杭は市場で買い物をしたことがないが、値切るようと言われたことを覚えている。
これは、一瞬、穆炎を除いたすべての人をびっくりさせた。。。みんなは、「さすが将軍の息子だ。これは強盗と何が違うのか。」
オーナーが口を出して断るのを待たず、穆炎は腰のそばにぶり下がっている剣をちょっと見せて、瞳が輝いて、こういった。「この娘さんに送ったらどうか。」と。
この言葉は、一瞬、诺雲を含めたすべての人をびっくりさせた。みんなは、「さすが隊長だ。悪辣な手段だね。」と心の中で思った。
しかし、妙なことに、みんなが驚いている中で、オーナーはにこにこしながら、媚びを売った。「わかりました。わたしはいまから、梱包して差し上げますから。」
诺雲:「ありがとう。」诺雲は頭を下げ感謝した。
恒裕杭:「あら、わたしに送るのか?」恒裕杭は我慢できずそばに首を垂らしながら、へらへらと笑った。
诺雲:「いいや、わたし自分のもの!」诺雲は口を尖らせた。
恒裕杭:「これは、男性がつけるものだよ。。あなた女性はつけるものじゃないのよ。」恒裕杭は目を丸くした。
诺雲は穆炎をちらっと見て、穆炎に送るのか、それとも自分が使うかと迷っていた。本当に気にいったので、ずいぶん迷っていた。
この時、穆炎は诺雲の思いを読み取れたので、思わずにっこり笑った。「女の子はつけても何か悪いのか?だれか余計なことを言ったら、軍事法で罰を与える。」言い終わると、彼は蔡允と恒裕杭を眺めた。
そうだ。この二人は兵営の中で偉いので、理由があるのはどころか、理由がなくても兵士を軍事法で罰を与えられる。
诺雲はそばで頷くばかり。
恒裕杭:「オーナー、わたしもこれがほしい。」恒裕杭は眉をしかめてオーナーに振り向いた。
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