第50話 言ったろ。結婚する気ないのに付き合わないって
湊はただ静かに楓を抱きしめた。謝り泣く楓に、なだめるでも背を撫でるでもなくただ静かに楓が謝る声を聴きながら抱きしめた。
「気は済んだ?」
楓は何も答えず頷いた。
「じゃあ今度は僕の番」
楓の唇に自分の唇を重ねて目を閉じた。静かな長い口づけ。
「言ったろ。結婚する気ないのに付き合わないって」
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