ある妄想ー残されるものー
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前回、過去の別ブログでの投稿をほじくり出したばかりなのだけど、そういえば、結婚してから書いた=実際に伴侶を得てからの妄想話があったことを思い出したので、性懲りもなく、また転載させていただきます。
2016年のものです(加筆訂正あり)。
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我が家では、訃報に接した時などに、「旅立つ時はどっちが先だろうか」って話をしたりするんだけど、このたび、またある方の訃報に接し、M夫くんが以前に言った言葉を思い出していました。
M夫くんは自称「情が薄い人間」だそうで、ずっと前、それが具体的にどういうことなのか説明してもらったところ、こりゃ、私が先に旅立った場合、M夫くんは泣かないかもしれないなって確信し、それじゃあ悔しい(?)から、絶対に私は先に行かないぞってあらためて決意した、なんてことがあった(結婚する前から、愛する人の人生すべてを見たいから、先には行かないって決めていたのだが)。
それを踏まえて、一応本人に「万万が一あとに残されたら、どうする?」って訊いてみたら、「(私の)保険金でいい楽器を買って、それを弾こうかな」って言ったのだ。
その言葉、その情景を思ったら、なんだかちょっと涙が出た。
M夫くんは泣かない(だろうって言ってる)のに、私が自分で泣いてどうする。。。
今回、訃報が届いた方は、先に奥様を亡くされていた。
それはそれは大きな悲しみだったことと思う。
でも、晩年になって突然(?)生まれた末のお子さんが自立するまで、男手一つでがんばると言っていた。ご自身も病気を患ったりしていたけど、末の娘さんがまだ小さかったというその状況が、逆に大きな生きる支えになっていたのかとも思う。
私も出席した葬儀のあと、お父さんにそっくりのその末娘さんは、お父さんと同じ笑顔で「大学受験をがんばる」と言っていた。その強さも、お父さん譲りなのだろう。
そして、彼女の笑顔を見ながら、私の中で、故人がこの子を一人で育てていたその情景と、うちのM夫くんが保険金で買った楽器を弾いている情景が、何となく重なってしまった。
残された者が生きていく。
その情景には、哀しさと強さ、そしてきっと”愛情”が満ちている。
…と、思いたいんですけど、M夫くんは「愛って、よくわからない」とかまた言うに違いない。
あぁ、悔しい!!やっぱりゼッタイに、先には逝かないゾ!!!
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M夫くんメモ:
自称「情が薄い」「人を好きになったことがない」「愛するってよくわからない」人間なので、そこは申し訳ない、とか結婚前から言っていた。
好きとか愛とか、そういう感情を実感させてやる!というのを、引き続き目標として励むべし。
※ちなみに、M夫くんはアマオケで弦楽器を弾いている。
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