旅路
暴徒
(一篇完結)
遠くに見えた幻の君を
追いかけつづけて ついに
星のぬくもりを失って久しい
追われるように君を追いかけて
闇の雫で靴を濡らし
服もない
かげりのある炎は何も照らさない
孤独は癒えずにただうずくまる
そう唄った君の面影を
日夜に浮かべながら 食べる
残された時間を
望むならば緑の希望が欲しい
洞のような胸元に蔦を生やし
地に己を植えつけられたら いくらか
空を見上げる勇気もわくだろう
永遠へと傾きそうになる魂の身体を
砂でかぶせて大地にころがす
簡単ではない
その吐息には女の微笑みが含まれている
ああ 尊い
壊れた家の扉
鍵を奪い去ったのはいつかの君
それでも住み処を求めて歩きつづける
難しいだろうか
難しいだろう
問いつづけたまえ
眠りは始まりにすぎないのだから
旅路 暴徒 @sakuneko
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