小話

藤原琉堵

無題

最初、僕が紡いだ言葉は、誰にも見せる予定はなかった。そもそも、自己満足で始めたものであって、誰かの為のものではなかったから。それに、僕は誰からも、見向きもされない人間だったから。僕の言葉は、誰にも必要とされなかったから。

積み重なった言葉を見た時、初めて、誰かに何かを伝えたいんだと気付いた。

だから僕は、誰にも必要とされず、誰からも見向きもされない、この寂しい言葉を、誰かに伝えようと思った。誰にも必要とされず、誰からも見向きもされない、空っぽな僕を、誰かに見て欲しいと思った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る