リベリオン-反逆の狼煙
天球儀ナグルファル!d(*´ω`🎀)
PHASE1 ACTION-(動機)-
今にも降り出してきそうな空だ。露店に設えたラジオから流れる女性の声は小降と聞こえたが、本降りも十分考えられる。比較的土地勘のある辺りだったが、傘だけは買っておこうと思い、ポケットを探るも感触がない。いけね、財布は家に置いてきたんだっけかな。いま、このタイミングで家に戻るのは流石にヤバそうだ。
薄暗い路地の一画に足を向けて、さてどうするか、と思案してるところ、
一人の老人に声をかけられた。「ちょっと、兄さんお金を恵んでくれんかの。ちょっとでいいんじゃ」汚れたダンボールが尻にはまってヤドカリみたいになってる爺さんだった。
「ワリイが金持ってないんだ。お布施もできない状態なんだよ。爺さんと似たもの同士だな」
「別にお金じゃあなくてもいいんじゃ、この冬過ごすのはワシらにはなかなか厳しくてのう。その上着をおくれよ」
「追い剥ぎにしちゃ迫力足りねえよ、爺さん、ちょっと待て。今なんつった?」
「追い剥ぎかの?」
「ちがう。その前だよ」
「上着をおくれって・・・・・・」
俺は笑った。
「爺さん、俺たち似たもの同士だよな」
爺さんも笑っていた。
(真)犯人は現場に帰る なんて言葉があるようだが容疑者だって帰ることもある。
臭いには我慢が必要だが、衣装をとっかえ、帽子を手に入れたおかげで自宅周辺まで戻ってこれた。狭くなった視界から周りのようすを伺う。
案の定だが、自宅はKEEP OUTの黄色いテープで囲いがされ、パトカーが数台停まっていた。
とゆーことはだな、まだ事件が起きて数時間〜数日しか経過していない証拠だ。人だかりが多いのもあって前者かな、と俺は思った。
周りの野次馬の立てる声で大体の情報は掴めた。
曰く・・・・・・
① 犯人は掴まっていないこと
犯人には俺、含め容疑者と見なされている。刺殺された男性の身元がわれればそ
の知己周辺の人物も走査線上にあがって
くることだろう。
② 犯行の動機
犯人(俺除く)は、家の中を荒らした形跡は侵入経路と見られる勝手口近くの割れた窓以外にはなく、指紋も俺と被者以外は検出されていないことから物品狙いでないとの見込みが立っているようだ。もっとも、俺は犯人が品目当ての殺人であることは既に知っている。
③ 所轄の動き
①②を踏まえて、以上のことから 被害者の怨恨の線が濃厚との見立てで捜査をしているらしい。また俺もどこかに、拉致、監禁、または殺人遺棄の可能性があるとして管轄とその又がる区域署との合同捜査を開始しているとの噂だ。
④ 残された真実
あと、これは俺本人だから推測できることだが、俺に恨みを持つ誰かの犯行。いわゆる罪のなすりつけってのだ。てゆーか、ぶっちゃけコレだろ。
以上で、必要なことは大まかではあるが入手できたのでその場を去ることに俺は決めた。
ノコノコと出てきてまた聴取を受けなきゃならないのはゴメンだし、ココにいることが判り捕まるなんてことになると尚更とマズい。それは、連中からの条件に引っかかるからだ。
連中はヤケに素直に返してくれた。
なんて、ありがたい話はない。これは小説なんかじゃないんだからな。
あの後、俺の家だと喋ってしまった後のことだ。連中は俺の身柄を自由にする代わりに条件を突きつけてきた。
「この写真の男のことだが、我々の組織の一員でね、重大なファイルを持って逃げたんだよ。だが、この死体からは何も発見されなかったようだ。そこでなんだが・・・・・・」
厭な予感がした。
「君を自由にする代わりに、犯人を突き止めてはくれないだろうか。事件は君の家でおこっているのだから、君にしか気づくことができないモノがあるハズだ。私としては犯人とゆうよりファイルを取り戻したいんだがね」
「そのファイルってのは何が入ってるんだ」
「おっと、その問は社外秘密でね。一民間人に喋っていい内容ではない。それに」
男の眉間にシワが寄った。
「今、話しているのは私なんだ。下手すると君の生命にも関わる話なんだぞ。ここは黙って聞くのが身の為だと思うがどうだ?」
「はいはい、わかりましたよ。どうぞ?」
「君も警察からの容疑者リストに勿論入っている。だが、警察に私達の事をリークしようだなんて思うなよ君には私の部下たちが24時間体制で見張っている。変な動きをしたら目の前が真っ暗になると思い給え。ではコレを」
俺は携帯電話を渡された。
「何か新しい情報が掴めしだい報告したまえ。受信電波は傍受されないように気をつけろ。なるべく電話じゃなくてメールでやり取りを行え。コチラの換置式暗号に変換して文字が送り出せるよう予め設定しているから手間はかからないハズだ。では、よろしく頼むよ」
で、俺は晴れて自由の身になったわけだ。
被害者の男性は組織の人間だから組織名さえ判れば警察に垂れ込めるが、そこは容易周到 目隠しで車から降ろされた。車体のナンバーは疑似プレートで隠していやがるから確認のしようがない。
腰の携帯がヤケに重く感じた。
俺はさっそく報告することにした。
そして、よくよく考てみると、今のままだと行動範囲が限られてくるし何より金は一銭もない。
この現況も併せて訴えてみることにしよう。
まさか、現地調達はないだろう。俺はソリッド・スネークじゃない。
奴らは金を用意すると俺が即座にどこかに蒸発でもすると踏んでいたんだろうか?
それに奴らの言っていたファイルも気になる。
ファイルを取り戻せないと何かどうなるんだ。一週間とか言ってたな。一週間以内に探して取り戻せないと俺の命が取られるらしい。
仮初の自由だよな。どうりでさっきから息苦しい理由だ。服の臭いのせいじゃねえ。そもそもアイツらは何者なんだろうか。
「ピピピピッ」
携帯の受信メール音が鳴った。
受信フォルダを開いてみるとメールが一通
「まずは報告ありがとう。なかなか速いじゃないか。その要領で頼む。くれぐれも変な気はおこすな。常にお前を射てる距離であることを忘れるな。金についてだが、S駅構内のコインロッカーに入れてくるように部下を走らせた。キーはコインロッカー近くの男性トイレ便用のドア下部に貼り付けてあるはずだ。検討を祈る」
最初の二行で、連中の焦りが感じられる。
焦りでコチラをあおったって悪循環なだけなのに。
俺は早速、S駅へと向かった。
駅へと歩を進ませる間も思考停止は禁物だ。
なんてったって生命がけだからな。
自宅周辺での情報源は限定されたもんだ。
事件のあった時刻などの明確なことは判らないまま飛び出してきたから当たり前だが、検察官や監察医にインタビューできる理由じゃないんだから
しゃあねえ。
問題は「だれが」
「なぜ」
よりにもよって「俺の家」で
事件を起こしたのか。
いや、まてよ。それではあまりに早計だ。被害者となった男性の自殺の可能性もあり得る。
消失したファイルだって、盗まれた挙げ句に殺されたのか、相手との口論となった末か、既に取引を終えた後に抹殺された線も考えられるんだ。
冷静に思考しようとすれば、するほど難しく思えてくる。
気がつくとS駅に着いていた。
構内を目指そうと駅の案内板へと足を運ぼうとしたその時
複数人の警察、刑事の姿がチラ付いた。
帽子を目深にかぶり直し、背後に人影がないのを確認してから天井を支える柱から盗み見ては尾けることにした。
驚いたことに刑事たちの動向は
コインロッカーの前だった。これではキーを入手しても、しばらくは動けそうにない。
数分すると刑事たちの動作に変化があり、
コインロッカーをガチャガチャと調べだした。
「!?」
もしかして・・・・・・俺の行動がつつ抜けになってるんじゃあ。
額から厭な汗が吹き出してくる。
と、その内の禿頭のベージュ色をしたトレンチコート服の男性と目が合った。
身体がコチラに向き直る
マズい・・・・・・野生の勘が訴えている。
と、その時、
前からではなく後ろから肩を叩かれ
「ごめん、おまたせ」と声をかけられた。
女性の声。
その女の出現に刑事が勇み足を止めた。
耳元で「一緒についてきて。なるべく親密なように。腰に手を廻して」
言われるがままにその女と駅から抜け出した。
女はダウンジャケットにスキニーパンツにスニーカーと利便性を重要とした格好だった。
髪を結い上げていることも機動性にステータスを振っているのが判る。左肩から下げたスポーツバッグも主張しているようだ。
駅から離れて、15分ほど歩いただろうか。
そこで、女は立ち止まった。
俺は振り返った。
さっきまで案内してくれた女が後方にいる。
女は重たげな顔をあげた。
俺はそこで、はじめて女の顔を識った。
意志の強さを思わせる切れ長の目。
強く引き結ばれた唇。
日が射すと透けてしまいそうな肌と対象的に深い闇をつくりだしてしまう黒い髪。
その一画だけが切り取られた非現実のように現実にコラージュを加える。
「君はなにものなんだ」自然と口が動いた。
「なにものだと思う」
わずかに笑みを含んだ顔。
語を継いで
「あなたがそう思う者よ」
「俺がそう思う者・・・それじゃあ君は」
「そうよ」
「連中の仲間なのか」
「YES」
「それじゃあ教えてほしい」
「なぜツーツーになってるのか」
「なんのこと」
「とぼけても無駄だ。何故、連中とのやり取りが筒抜けになってるかってことだ。事実アイツラはコインロッカーの番をしてた。いや、俺への張り込みと受け取ってもいいぐらいだ」
「ヒントをあげる」女は右手をゆっくりと開いた。キーが掌に収まっていた。
「どういうことだ」
「キーがヒントよ。マスターと頭につけるほうが解決が早いからしら。そうそう裏切り者の件だけど鑑識・法医学の知見では、死紋のひろがり方・胃の内容物の消化、硬直具合から殺害は〇〇時〜〇〇時と割り出しているわ。そこでなんだけど貴方はその時間はどこにいたの?警察は貴方の行方も追っているの。あの場に私が現れなかったら今頃取り調べを受けていたわよ。まずは感謝の一言ぐらいあってもいいはずだけど」
(俺がどこにいただと・・・・・・)
「わ」
「わからない、か。一時的健忘症かもね」
「目覚めてみたら君の仲間に拘束されていたんだ」
女はそれには答えずスポーツバッグを投げた。
「ハイ、いつまでもこんな重いモノ女の子に持たせておくんじゃないわよ。気が効かないんだから。また貴方とは会うことがあると思うわ。じゃあね」
と言って、 に面した雑居ビルの裏手に消えていった。
俺は混乱していた。彼女が言い残した、
(キーがヒント)(俺には事件直後の記憶が失いこと)
スポーツバックの中を開くと幾重にも束ねられた札と、護身用に準備をしてくれたのか拳銃一丁、そして俺が所持してる同じ機種の携帯電話があった。
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