12. 四色に移ろう

季節に流されるような、泡沫の日々に

いつの間にか出来ていた陰りを見つめた

そこに理由があれば、方法があれば

呑み込めたかもしれない暗転を繰り返す

神様なんて信じないし

祈ったりなんかもしない

ただ、縋るように言葉を探して掻き立てる

見失った影に光を落として巧妙な

罠に飛び込み息をひそめた



加減を知らない青春が零した心をなぞって

着飾った朱夏が何度も猪の目を開かせて

まぎれた白秋が夜に踊って、眠らない

終わりを告げる黒冬を横目で仰いで無視をする



加速する、時と心とを離れないように結んで

幾度となく繰り返す経験が

正と負とに分けられる

今と過去との後悔を

線で結んで他は迂回して

シナプスは加速して電機はもとより駆け足で

今に戻った思考が後悔だけを必要に抱く


それなのに、幸せも心を加速させるなんて。


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