安倍神社、それは。。。(1)
母親に安倍神社で祈願した事をリマインドされた雄二は、御礼がてら三度目のお参りに行く事にした。
御礼参りではあるが、折角行くのだから、何かしらのお願いをするほうが合理的だと思った。が、これと言ったお願い事が無い。
そもそも、願い事は自ら作り上げるものでも無い。
なので、暫く時間を置く事にした。
ふと、自分の将来の事を雄二は考えてみた。普通に学校に行って、そこそこ働いて、何がやりたいかと言えば、特段見当たらない。そんな自分の現状が嫌いなわけでもない。
只、漫然と日々暮らして一生終わるのかと思うと勿体無いとは思っている。
【そうか、お願いと言うより、これから自分は何をすべきか、相談しに行こう!】
雄二は、安倍神社にお参りするお題を考えついた。
明くる日、朝から天気がよく、少し暑いくらいの気候になった。
「母さん、安倍神社に御礼行ってくるわ」
「母さんも行こうかしら」
珍しい事もあるもので、母親自ら安倍神社に参拝する申し出があった。
「それは良いけど、珍しいね。ていうか初めてじゃないの?安倍神社にお参りするの」
「いいえ、子供の頃はよく行ったわよ」
「じゃあ、何でご近所さんとかも安倍神社にお参りしないのさ?」
「そういう話は、あと、後」
なんだか、母親はいつになく嬉しそうにしている。
結果的に二人で安倍神社に参拝する事になった。
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