神のお告げは正反対
最近は痛風気味
普通の神社なのに...
と或る町外れにある安倍神社。特に御利益が有る訳でも無く、何処にでもありそうなこの神社には一つ特徴があり、一箇所に二つの鳥居が重なるように建っている。
近所の住民も鳥居の事について疑問も持っておらず、まぁそういう事もあるんじゃないと言う程度にしか思っていない。更に初詣なども此処には参らず、少し離れた護国神社に行く程だ。神社なのに敬遠されている、という可哀相な神社だ。
そうなったには理由がある様だが、誰一人口にしたことは無い。
この神社から車で5分程の距離に住む雄二は、安倍神社の存在は知っていたが、この神社に参ったことは無かった。彼の家族も例外に漏れず、初詣など神社に参る時は護国神社に参っていたため、自然にそうなっていた。だが、心の何処かで安倍神社の事が気にはなっていた。
雄二は現在フリーター。大学は出たものの就職活動はせず、自らこの選択をした。色々な職を経験したいと言う理由だが、それは上辺だけで基本的には束縛を嫌い、自由でいたいと言う所が彼の本線だ。
そんなものだから、親にもきちんと就職しろと常々言われている。当然、というのも失礼だが現在彼女無し。2年前に彼女がいたが、浮気され破局。その傷もだいぶ癒され、そろそろと思うようになっていた。
或る日の夜、バイト帰りに車越しに安倍神社の前を通った。すると、微かに重なった二つの鳥居が薄黄色に光って居るように見えた。一瞬目を凝らして見たが、はっきりと判らず錯覚かと気にも留めなかった。
次の日、母親に安倍神社が何故人々に敬遠されているかを聞いてみた。しかし、母親もよく知らない様で合点の行く答えでは無かった。
じゃぁ、一度行ってみようと歩いて安倍神社に御参りに行くことにした。
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