第4話 蘇る幼き思いでⅠ
私の名前は楓
なぜ楓なのかは知らない。
特に気にしたこともないけれど、「kaede」
この響きは気に入っている。
私は俗に言う地味メガネっ子だと思っている。
アニメや同人誌が好きで、同じ趣味を持った友達と暇さえあれば
そういったお店に繰り出している(私みたいなのを腐女子というのだろうか)
夏の暑い日などは、お店にいるだけで暑さから救われるし
何より、大好きなグッズで溢れている。
お目当てのグッズを探し当てた時の喜びは、分かる人にしか分からないだろう。
だるい午前中の授業が終わった金曜日の昼休み、
友達の由佳が弁当をくちゃくちゃ食べながら
「楓!学校が終わったら行こう!」って話になり
放課後、ショップに友達と行くことになった。
いつもならすぐに過ぎる午後の授業がなんだか時間の流れが遅く感じる。
そして待ちに待ったチャイム!
さあ行くぞ聖域へ!!
(自転車をこぐこと15分、ついに来たぜ待ってろよ)
まずは100円コーナーでお宝探し!
(今日から日曜日までの3日間限定安売りイベントだったみたい。
私はこのイベント見落としていた。ありがとう由佳)
店に着くなりカゴに盛られた商品をガサガサと漁る漁る・・・
大体目当ての物はないんだけど、とにかく漁る。
商品の棚の配置は腰の高さくらいのテーブルに箱を並べているような陳列になっていて、テーブル一周囲むようにみんな夢中で漁っていた。
由佳はテーブルの角に陣取って目を見開いて漁っている、角取りは一番広範囲に手が届く位置なんだろうな。
私は辺の中央付近の陣取り・・・ミスったか・・・
由佳はテーブル中央を漁り始めていた、角からは遠いだろう。
位置変えればいいのにと思っていたんだけど、やたら不利な位置を譲らない。
股でテーブルの角を挟み込むようにして前のめりになって、・・・・
え?もしかして・・・
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