あやしよにふる 天雨の巻
あんみつ
序
今は昔。
八百万の神々が治める、日の国と呼ばれる小さな島国がありました。
神々は、太陽、月、海、森、花・・・
あらゆるものに宿り、人を守り、慈しんでいました。
人々は、穀物、空、山、川、風・・・
あらゆるものに宿った神を祀り、信仰していました。
春は農作の始まりに、人々は豊作を願いて祀り、
夏は神の社にて、繁栄と安寧を想いて舞い踊り、
秋は一年の実りの報告と感謝を伝えて喜び祝い、
冬は年の終わりと始まりに、その永遠を祈りました。
そうして神と人は、四季を通じて深い縁で結ばれていたのです。
けれど両者は決して、それ以上互いに歩み寄ることはありませんでした。
手の触れられない、声も届かないその距離で、
互いを想い合い、祈りながら生きる。
あやしきこの世の中で、それらは決して揺らぐことのない、
定められた事のはずでした。
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