PM1:39
しかし、波根さんってこんな気さくに話す人なんだな。基本は口数の少ない人だと思ってたから、こうして怒涛の質問責めにあうのはちょっと新鮮だ。
アレかな、関西出身だから標準語に馴染めず、何となく人と話す事をためらう様になった、みたいな関西あるある。そんなあるあるがあるのかは知らんが。
「三崎君? どないしたん」
「ん? ああ、悪い。何でもない」
いかんいかん、おかしなヤツだと思われちまう。おかしなのはこの世界の方だから。
現時点では、波根さんの発言は普通だ。つつけばイカれた部分が顔を覗かせるかもしれんが、俺が正しい受け答えさえできれば何てことない世間話を続けることが出来る……はず。
「えっと、疲れた理由、だったよな……うん。授業そのものに疲れたのは確かだけど、一番の理由は朝からバタついてたから、かな」
「バタつく? なんかあったん?」
「まぁ、うん。朝起きたら母さんがルシファーを召喚してたとか」
自分で言っててなんだが、懐かしいなルシファーとかいううちの家政婦。今頃母さんにこき使われてるんだろうか。
と、波根さんが眉根を寄せている。怒っている? いや、考え込んでいる感じだ。
「……ルシファーって、悪魔の王の?」
「そう、そのルシファー。なんか20年間儀式を続けてようやく成功したらしい。俺の人生で一番の驚きだったな」
「まぁ、せやろね。あのルシファーやもん」
いや、ルシファーの存在そのものじゃなく、儀式を20年間続けてたって事になんだが。説明したらややこしいから言わんけど。
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