PM1:38
「ほならね、三崎君。ウチも一つ訊いて、ええかな?」
と、今度は波根さんの方から振られてきた。多分だけど、あっちも無言が居たたまれないんだろう。気持ちはすげぇ分かる。
「ああ、いいよ」
「あんがとな。えと、今日の授業やけど……どう思う?」
「授業……?」
それはこの体育の事か、彼女との接点が出来た古文の授業の事か、はたまた朝からの授業全てを指しているのか。
まぁどの意味であれ、〝イカれている〟という感想しか抱きようがない。が、そんな事を馬鹿正直に言ったところで、イカれた世界に染まり切ってしまった人間には理解さえしてもらえないだろう。
「んー、そうだな。なんかいつもより疲れたよ」
ので、どうとでも解釈できそうな返しをしてみる。さすがは日本語。お前なりに解釈しな! とばかりの曖昧さだ。
「さよかー。うん、何となく分かるなぁ、それ」
波根さんが頷く。俺の返答がお気に召したのだろうか。
けど、あんまりツッコんでくれるなよ? 自分で言うのも何だが、すぐにボロがでるからな。
「具体的にどう疲れたんか、良ければ教えてくれへん?」
だからツッコむなって……いや、相手は関西人。ツッコむのが仕事か、ちくしょう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます