PM1:31
ネクロノミコンを手にグラウンドに舞い戻ると、何故か拍手とともに迎えられた。
何となく分かる。俺じゃなくて、ネクロノミコンの登場に沸いてる感じだ。
「うぉ、これがネクロノミコンか! 実物初めてだわ俺」
「この世の大半の人間が実物初めてだろ。ここ数十年、表に出てこなかったって話聞いたことある」
「四時限前の隕石もこの魔術だったんだよね……うわぁ、すご」
「ねぇねぇ、ちょっと使ってみせてよ三崎君!」
やべぇ、マジ人気者だネクロノミコン。そして俺が超おまけだ。すげぇ虚しい。
まぁそれはいい。とりあえず、どいつもこいつも俺がネクロノミコンの魔術を発動させることをお望みらしい。
むしろ、一度発動しない事には収まりそうにない。あかみちんに視線で聞いてみると、
「まぁ、エキシビジョンとして一発かましてみろ」
とか呑気な事を言いおった。メテオぶっ放していいのか? なぁ。
まぁ、さすがにそんな事はしない。が、放つ魔術は厳選しないとマズい。
しかし、問題が一つ。フェルガノレンヴァリアシリシポステノスミジャジャノノメシアコルヤユムユナルンパッパエルフーン文字……自分で覚えててびっくりしたが、その文字の内容を読むことがどうしてもできない。
だが、今更出来ない、といった日には、こいつら全員の魔術でぼろ雑巾みたいにされそうだ。仕方ない、腹くくるか。
「よし、行くぜ!」
意気込んだ俺は、適当に開いたページに魔力を纏わせるのだった。
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