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つまり、グダグダ考えても時間の無駄。とりあえず、この弁当達をどうにかする事だけを考えるべき。俺はそんな結論に達した。
「はい、準備完了です」
ちょうど、生徒会長がそんな事を言う。
何と言うか、壮観だ。重箱の群れの中で輝くたくさんの料理たち。あくまで見た目だけの話だが、とても美味しそうだ。
対して、生徒会長の前には持参したちっちゃな弁当箱が一つ。いかにも女の子らしい盛り付けだ。
その様子はさながら、俺率いる重箱軍が生徒会長ごと弁当箱を食い潰そうとしているかのよう。
「それじゃあ、食べましょうか」
「はい、いただきます」
箸を持ち、手を合わせる。生徒会長もそれに続き、自分の弁当に手を付け始めた。
さて、さっきから量にばかり気を取られてるが、味はどうだ?
生徒会長は、ぱっと見料理が出来そうな感じだ。ていうか、これだけの量を作るとなれば、根本的に料理に慣れていないと難しいはず。
だけど、その裏をかいてベタベタの料理下手な可能性も否めない。塩と砂糖を間違える的な。
「どうしました? 早く食べないと休憩時間が終わってしまいますよ?」
「すみません、沢山あって何から食べるか迷っちゃって」
「ふふ、料理は逃げたりしませんから安心してください。さぁ、お好きなものからどうぞ」
今の会話で、俺の逃げ道も完全に断たれた気がする。なんかこう、世界がイカれてるとか関係なく、1人の男として。
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