楽しい楽しいお昼休み

PM0:20

 チャイムが鳴る。4時限目終わりを告げるヤツだ。俺は目を開けた。


 実際のところ、一睡もしていない。いや、だってもともと眠いわけじゃないし。疲れが溜まってるととは思うけど、だからといってすぐに爆睡できるかといわれると、そんな事はないわけで。


 つーか、もともと昼寝自体があんまり好きじゃないし。どう言えばいいのか……寝て起きるってことはそのたびに脳みそも叩き起こすわけじゃん? ぼーっとしながら少しずつ意識がはっきりしてくるのを待つあの感覚、あんま好きになれねぇんだよな。


 すげぇ前にぼやいた気がするけど、世界に取り残されてる感覚、に近いのかもしれない。って、まぁそんな事はどうでもいい。俺はベッドから這い下りて、深沢のデスクを目指す。


「おう、起きたな。あと1分長く寝てたら俺の魔術書で原子分解喰らわしてやるところだったぞ?」


 ……原子分解って、結構ヤバ目な匂いがするんだが。俺のネクロノミコンに異常な興味を示してたけど、深沢は深沢ですげぇ魔術書を持ってるんじゃないだろうか。


 ていうか、今のがマジの脅しだったのか、オカルト好きのジョークなのかすらも分からん。どっちとも取れる。全部このイカれた世界のせいだちくしょう。


「一応病人ですよ、俺」

「一回死んだだけのヤツは病人からほど遠いと思うがな」


 病人とは、そして死ぬの定義とは。もうこれ分かんねぇな。


 

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