AM8:38
バッカ、そんなわけないだろ。津島さんだぞ? 超短くなったチョークをゴミ箱に投げ入れろ選手権を中止に追い込んだあの津島さんだぞ?
だから余計にヤバいんだろうがよ。あの厳格な父さんですら平気でお空へフライアウェイしてるような世界だぞ? 津島さんが毒されてたっておかしくねぇって。
俺の中と天使と悪魔的なアレが何やら言い合っている。今んところ、悪魔優勢。
「じゃあ三崎君、一応クラスの決まりだから」
そう言って、津島さんは今度はスカートのポケットから何やら取り出した。
「…………」
黒光りするそれを前に俺、思わずフリーズ。そして確信。悪魔が、正しい。
それは、いわゆる銃。ガン。ピストル。
モデルガンかも、と淡い希望を抱いたが、見るだけで伝わってくる重厚感、光沢が、それを即座に否定してくる。多分、いや、きっと、本物。
「……? 三崎君?」
「あ、修二ってこう見えて遅刻するの初めてだから、それをするのは初めてで手順が分かんないんじゃないかな」
「そっか。じゃ、今回は私が手伝うね」
何やら津島さんと凛が訳知り顔で言葉を交わし、津島さんが銃をがちゃがちゃといじり始める。
にわか知識ではあるが、銃はオートマチックとリボルバーに大別されるはず。そして、その銃はリボルバー型のようだった。ほら、西部劇とかで弾を込めた後にくるくる回転させる系のヤツ。
津島さんも西部劇よろしく、手にした銃弾を手際よく銃に押し込む。やっぱり、さっき捨てたのは2つあった銃弾のうちの1つだったらしい。
そしてくるくると回転させ……あれ? こんな感じの光景、映画とかで見たことあるな。
本来は6発くらい入るはずの銃に1発だけ込め、からから回転させまくる事によって何度目に引き金を引いたら弾が出るか分からなくさせるヤツ。
うん、俺知ってる。これ多分、ロシアン……、
「準備完了。じゃ、いくね?」
「オッケー! いっちゃって、つっしー!」
いくなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?
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