AM8:05
さて、気を取り直すとしよう。
現実問題として、俺は
家に帰った方が近いとは思うが、代わりの自転車があるわけでもない。かといって母さんに言ったら、
「ファーちゃんに乗せて行ってもらったら? ほら、翼あるから飛べるし」
『かしこまりました
とかなりかねない。うん、勘弁。
じゃあタクシーとか? たまに、ホントたま~にタクシーを使う事もあるし……いや、ひょっとしてタクシーも空飛んでるんじゃね? うん、却下。
さて、となるとここからは歩いていくしかないわけだが、そうなるとかなり時間が微妙だ。走ってギリギリってとこか。
心情的には、ドナドナファンタスティックの魂が自転車天国へドナドナされていくのを見守ってやりたいけれど、そんな暇はなさそうだ。
「いっその事、サボっちまうのもアリか……?」
ふと、そんな考えが頭をもたげた。
そうだよ。だって、学校に向かうだけでこの有様だぜ? まともな学校生活がそこにあるとは到底思えない。
きっと、愉快にイカれた何かが俺を待っている。断言するぞちくしょー。
「あ、修二じゃん! おっはよ~!」
と、85%ほどサボりに傾いた俺の心を、背後から投げかけられた陽気な声が揺さぶってくる。
俺は、ゆっくりと振り向いた。
「お、お前は……っ!?」
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