第112話 グータッチのトラウマ。

私はノリが悪い為、

ウェイウェイと盛り上がっている場所が苦手です。


正直、サッカーのワールドカップの盛り上がりも苦手です。もっと言えば、サッカー部男子も苦手。

(息子には習わせていましたが)


そんな私がハイタッチを超えて、

まさかのグータッチをしなければならない瞬間が

1度だけありました。


それは高校生の時。

と言っても、私は家庭の事情もあり定時制に入学し直していたので、卒業は20歳の時でした。


相変わらずクラスでは女子とばかり話していましたが、修学旅行の時(ずっと読んで下さっている方はご存知だと思いますが、壇上でわっしょいわっしょいされた時)の最終日。


何故か1人の男の子と夜遅くまで

語り合って過ごしました。

(定時制の修学旅行はかなり自由なので消灯時間とかありませんでした。大体18歳を過ぎた人ばかりなので)


ずっと同じ学年だったし、

定時制は結局本気で卒業したい人しか

残らないので、人数がどんどん減っていきます。


そうなると、

話さない人でも自ずと顔は覚えていくもので、

勿論彼の事も知っていました。

特にいかにも女子ウケしそうな目立つタイプの

かっこいい見た目の男の子だったので。


一体そんな彼と何をそんなに語り合っていたかと言うと、彼女と上手くいっていないという愚痴?を

聞かされていたのです。


私にも恋人がいたので(社会人の)

自分に興味のない女の子として話しやすかったのだと思います。


そうして、何故か連絡先の交換までして

修学旅行は終わりました。


男友達がいなかったとよく言っている私ですが、

思い出したら、ひょっとしてこの彼は

いっときの男友達風だったかもしれません。


たまに電話がかかって来て話したり、

それからは学校でもちょろっと話したり。


卒業式の打ち上げの時の写真には

彼が沢山写っています。


ちなみに、私が1番仲良くしていた女友達は

私が彼と少し仲良くなり始めた頃から

彼の事を好きになりました。

(とにかく面食いな友達だった)


その頃の私達はというと、

ギャルではなく、

どちらかというと原宿っぽい格好というか

美容師を目指している感じの見た目でした。

YUKIちゃん大好きだった私は三つ編みのつけ毛をつけていたり、お団子だったり、

真っ赤とかピンクとかの格好をしていましたし。

友達もベリーショートで少年ぽい格好。


2人して男子ウケゼロ(笑)

分かってはいましたが、

そんな事はどうでもいい事でした、私には。

だって、着たいものを着たい!!


ちなみに、その彼はどう見てもモデルっぽいギャル

とばかり付き合っていそうで、

好みもそっち系だろうとわかり切っていました。


本人もその時の流行りのスケーターみたいな格好をしていたし。

ただ、チャラチャラしつつも、

実際裏ではモトクロスを頑張っていた様でもありました。


ちなみに、その彼と電話で話したりするものの

何の接点もなく、気が合う訳もなく…。

何を話していたのか不思議。


でも、その学校で初めてクラスメイトの男の子と

仲良くなれたのが嬉しかったのは確かです。


そんな中、ベリーショートの友人の誕生日がありました。


せっかくの誕生日だし彼に電話してみようという話になり、私が電話をして近くの居酒屋に集まる事になりました。


私達は女の子4人くらいだったのですが、

お店に入ってきた彼も友達を数人連れて来ていました。


しかも、学校の人ではなくスケーター系というか、B系?というかラッパー集団?

まさに「ウェーイ!」とか言いそうな男の子達。


内心、私はひえぇーー!!と思いました。


でも、私が呼び出したみたくなっているし

黙っている訳にも行かず

ニコニコと対応していました。

他の女友達は人見知り全開

もしくは、苦笑いしているし(涙)


すると、何かの会話で案の定「ウェーイ」みたいになって拳を私に差し出してきた、1人のラッパー。

(ラッパーじゃないけど)


ここで「それは出来ません」という訳には

行かず…(だって友達の為とはいえ私が呼んだし 涙)


「ううウェーイ…?」と私も拳を

コツンと当てました。


心の中では顔から火が出ているんじゃないかと

思うくらい恥ずかしかった…。


でも、彼らにしてみても

ギャル風女子と出会いたかったに違いない訳で

頑張ってくれたのかもしれません。

グータッチのラッパーさん。



結局、モデルタイプが好きな彼が

私の友達と結ばれる事もなく、

その友達はその後すぐ

違うイケメンに心変わりをしていました。


あの飲み会…というべき…会?

今思い出しても地獄絵図です。

タイプが違いすぎて誰も気が合わない(笑)

それを何とかする為に

本当に悪魔に魂を売った気分。

(大袈裟!?)


ちなみに、その男友達ぽくなっていた子とは

高校卒業して、

しばらくすると連絡が来ることも無くなりました。




私が女友達の為に頑張ったグータッチ。



今も忘れられないトラウマです。







  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る