弐話:令和べんちゃあ物語

 時は令和の大いんたぁねっと時代でございます。


 皆様はべんちゃあという言葉はご存じだろうか?

 武家や貴族となれぬ者どもが、炊いた米を毎日食うべく、一念発起で商いを始めることを言います。


「これ、佐藤どの。最近"ねいてぃぶあぷり"のかいはつ進捗はいかがなものじゃ?」

「なかなか慣れぬものですわい。商売人が愛用している"すいふと"とやらで、簡単にあぷりが作れると聞いたものですのに」

「こなせば役に立つものですぞ。"あぷり"の"こうこくばなぁ"を出すだけで、銭が勝手に入ってくるのですから」

「夢があるものでして。羨ましい限りです」


  "あぷり"かいはつは、実績が認められれば、城から仕事をもらえるほどに需要と夢がある商いです。

  若人どもが、躍起になるのも当然のことでしょう。


「佐藤どの。"ぷろぐらむ"が"びるどえらー"を吐いてしまっているようでな。すまぬが、見てくださらぬか?」

「構いませぬぞ。なら、江戸の一等地にある"すたぁばっくす"で見てみましょうぞ」

「おや、佐藤どの。"まっくぶっく"を新調されたから、外で自慢でもされたいのかね?」

「すてぇたすでございますからな」

「おっほっほっほっほ」


 江戸の人々は、今日も"まっくぶっく"を片手に"すたぁばっくす"へと赴くようにございます。

 それではここまでにしておきましょうか。

 

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