第68話 どうしようもない奴②

 「こ、これは全てハッタリだ!…あれだよ…画像を加工したり何かしたんだろう!」

 …この後に及んでもまだ、自分の非を認めようとしないこいつに呆れて何も言えなくなってきた。

 「さ、桜井さん。本当の事をこの暴力男に教えてやってよ。この写真だって無理やりじゃなく合意の元にキスをしようとしただよね」

 ここでやっと桜井さんの名を出してきた。それに余計に腹が立つ。

 自分が助かりたくて桜井さんに頼っているのだ。

 「…わ、私は…」

 「桜井さん、わかっていると思うけど約束したよね」

 …もしや、こいつバカなのか?

 俺の前でそんな事を桜井さんに言うって…殴られたいのこいつ?まさか、ドM?

 何も言えなくなってしまっている桜井さんを見てニヤニヤしていたのでもう一度顔を殴った。

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