ちょっぴり番外編 龍樹の行方

 「ここはどこだーーーー!」

 俺、錦城龍樹は広いアメリカで迷子になっていた。

 先輩のことで熱くなりすぎて一人で走って行ったのは冷静じゃなかった。

 辺りを見渡すと見渡す限り何もない平地。

 おまけに車も全然通ってない。

 唖然としていると奇跡が起きた。

 さっきまで車など何も通ってなかったのに何台もの車が列になってこっちに走ってくるのが見えた。

 俺はこれは一度しかないチャンスだと思った。

 絶対に来る前を止めて道を聞いてやる。

 そう思い道のど真ん中に立った。

 向こうも俺に気づいた用で凄い大きなクラクションを鳴らす。

 だが、俺は動かない。

 車は俺の目の前で止まった。

 「You idiot. Retreat early. Do you want to be killed?」

 しまった。車を止めたのは良いのだが、英語を俺は話せなかった。

 戸惑ってジェスチャーで話そうとするも無理だった。

 パチ パチ パチ

 白いスーツをきた男が拍手鳴らしながら歩み寄ってきた。

 「It was wonderful to have stood there without taking a step. Please tell me a little bit.」

 うむ。何を言っているかさっぱりだ。

 多分だが、先輩のところに連れて行ってくれるだろう。

 俺は白いスーツの男が勧めるがまま車に乗った。

 

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