第63話 友達⑤

 「うーーーーーしゃーーー!!!」

 歓喜の声を上げる俺。

 「さすがです。アニキ」 

 「優希先輩ならいけると思ってました」

 相馬とルビーちゃんが俺を褒める。

 俺はハリウッドのオーディションに受かったのだ。

 これで桜井さんも少しは俺に振り向いてくれるかもしれない。

 しれないじゃなくて絶対に振り向かして見せる。

 そして、今度一緒になることができたなら今度は手をはなさい。

 「明日から撮影なんですね、アニキ。今日はすぐに帰って明日に備えて寝ましょう」

 「…あぁ」

 相馬が急かして背中を押す。

 明日の撮影の為に早く寝て備えるのは分かるのだが、今はまだ日が沈んでもない夕方。

 まだ、眠たくないのだが、相馬は早く帰る事をもの凄く勧めてきた。

 …怪しい。

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