第60話 桜井さんの行方③

 「いくら何でも話が飛躍しすぎじゃないですか?」

 「いやいや、一生の傷をつけられたんだからそれくらいの事はしてくれないと」

 この男は常識がないのかと思った。

 「もう、帰ります」

 私がその場を後にしようとすると、

 「良の?優希が心配じゃない?もしかしたら自殺しようとしてるんじゃない」

 ………。

 「優希と同じ立場になれば僕もそうなるかも。だって彼女がいきなり何も言わずに外国に行って、追いかけてきたら新しい彼氏がいる。そんな状況になったら生きるのが嫌になるよ」

 「…優希は今どこにいるか教えてもらう事は…」

 「それは今からの君の態度次第だね」

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