第44話 初デート⑥

「はぁはぁはぁ」

なんとか桜井さんに追いついた。

桜井さんはとにかく早かった。

「今日は楽しかったです。ありがとうございました」

「うん。俺も楽しかったよ。よかったら、この後何処かで晩ごはんでも…」

「…今日は用事があるんでここで帰ります」

「そうなんだ。じゃあ家まで送…」

「いいです。一人で帰ります」

桜井さんは一人で帰ってしまった。

この時、桜井さんを止めたらよかった。そう後悔する事をまだ俺は知らなかった。

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