第24話 似たもの兄弟③

「優希。お金渡すから、コンビニでみんなのジュース買って来て」

そういわれて、コンビニに向かっている。

相馬も一緒に行くと言ってくれたが、お姉ちゃんに自転車を借りて行くことにしたから、一人で自転車に乗って、コンビニに向かっている。


ジュースを買って帰っている途中、不審者が不良二人に絡まれている、よくわからない状況を見てしまった。

…しかも、この不審者、見覚えがある。

龍樹の妹の夏穂だ。

「なぁ、アイドルのルビーちゃんだろ」

「かわいい~。俺たちと遊ぼうぜ」

「違います。人違いです」

どうやら絡まれたうえに、人違いまでされたようだ。

「あのう、嫌がっているのでやめてあげてください」

俺が止めに入ると、

「誰だ…よ…!こいつ、常灯高校の番長じゃないか」

「まじか、噂だと、ヤクザを手下にしたとか、警察署に素手で殴りこんだとか」

えっ。知らない、知らない。何、その噂。俺ただの犯罪者じゃないか。

「あ…番長の女とは、知らずに…」

「「すいませんでした」」

不良は、二人そろって、土下座してきた。

…周りの通行人の目が痛いことに気付いた俺は、夏穂を連れて急いで、その場を後にした。

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