第24話 似たもの兄弟④

なんとか、周りの痛い目線から逃げることに成功した俺と夏穂は、近くの公園に来た。

「さっきは、ありがとうございます。さすが番長ですね」

だから、番長じゃないって。

「た、大変だったね。一人で来たの?」

「はい。今日は、この町に用事があって、私一人で来ました」

「そうなんだ」

なんの用事だろう?

「私、用事があるのでもう行きますね」

そう言って走り去って行った。

…あっ。しまった。昨日のお弁当のお礼を言うの忘れてた。次に会った時にちゃんと言わないと。

ピロン

携帯にお姉いちゃんから[まだー?]という、連絡が入った。


「番長、かっこよかったなぁー」

「どうしたの、急に?」

先輩に聞かれたので、さっきの出来事を話した。

「ふーん。じゃあ、夏穂ちゃんは、その番長に惚れたの?」

「……」

「夏穂ちゃんの顔真っ赤だよ、かわいいー」

「もー。そんなこと聞かないで下さいよ」

先輩にからかわれた。

そんな話をしているうちに休憩が終わってしまった。

「ルビーさーん。次、出番なんで、準備お願いしまーす」

「はーい」

次は、私の出番のようだ。初めてのドラマ撮影で緊張する。

「桜井さんも準備、お願いしまーす」

先輩も呼ばれた。

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