第7話 朝の教室で

これって、もしかして告白のチャンスなのでは。

今、桜井さん二人きり。告白するなら今しかない。

俺は、覚悟を決めて。

「さ、桜井さん…」

ガラッ。

同級生の女子が来た…。

俺が桜井さんに話しかけようとしていたのは、気づいていないみたいで、

「桜井さん、ちょっと体育館の裏に来て欲しいだけど、いい?」

「いいよ」

桜井さんがそう返すと、「先に行くね」と言って、先に行った。

「…何か用?」

「い、いやぁ。その。…桜井さんが読んでらその本、面白いよね。今度映画化するよねー」

違うんだ。テンパって本の話をしてしまった。

「そうだけど、私が主役で出る映画なんだけど」

まじかー。そんな話がしたかったわけじゃないんだけど。よし、放課後に教室で待ってもらうようにここで言えば…。

「すごい。も、もしよかったら、一緒に観に行かない?」

間違えたー。自分が主役の映画なんて観に行くわけがないのに、何聞いてるんだ俺。

「いいよ。じゃあ呼ばれたから行くね」

「えっ」

桜井さんは、教室を出て行ってしまった。

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