桜井さんがいつも怒ってます

ステスタ

一章 告白

プロローグ 告白からの約束

小学五年生になってすぐの春

僕は、桜井さんに告白した。

返事は、「ごめんね」だった。

「…私、もうすぐ転校するの。うーんっと、遠い所に行かなくちゃいけないの、だからごめんね」

そう言われた。

実は、転校する事を僕は、知っていた。

母が教えてくれたのだ。

なぜ母が知っていたかは、わからないが、

「人生は、一回しかないんだぞ」っとまで言ってきた。

だから、断られるのもわかって、告白した。

「そっか。急にこんなこと言って、ごめん」

僕は、そう言って、帰ろうとした。

「私‼︎…私も好きだったんだよ。ゆうくんの事。でも、友達としてお別れするのもつらいのに…」

桜井さんは、涙目になっていた。

そうだったんだ。

僕は、自分の事しか、考えてなかった。

自分が後悔しないために、告白した。

その結果、桜井さんのお別れをつらくしただけだった。

そう思い。僕は、もう一度謝ろうと思った。

「桜井さん、僕…」

「だから。だから、もし、ゆうくんの気持ちが変わらずにいて、今度は、お別れしなくてもいい。そんな時が来たら、もう一度告白して、そしたら、私…」

僕は、もう一度桜井さんに、告白すると、心に決めた。

「ぜっっったいに、いいよって、言ってあげるから」

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