映画館での出会い
映画館の中に入ると多数の座席が並んでいて、
椅子の下に置かれている箱の中を覗き込んでいる生徒の姿。
箱の中に「性格の玉」が入っているのを探している感じが。
私も腰を低くし一つずつくまなく捜す、辺りはかなり薄暗くされ
視界が悪い、ほふく前進で進むが膝が磨り減りかなりの痛み
に加え首や腰の辺りも同時に痛くなり始める。
(これでも無いなぁ・・・・・・)
いつしか時間だけが経過し気持ちも不安定に。
「イタッ!」
ガッツン!っと頭に何かが当たり、よく見ると目の前に男性が
同じように前方からほふく前進してきたのか頭と頭がぶつかった。
「すっすみません!だっ大丈夫でしたか?」
薄暗くて顔がはっきり見えず、プルルルッっとタイミング良く電話が掛かって来たのかその場を避ける様に男性は走って去った。
そのまま気にすることなくほふく前進ししばらく進むと
何か目の前で光る物が目に入り、手に取るとハーモニカが落ちていて
裏側を見ると
中央の館の一階の事務所に移動し案内して居る学園の事務の方で、
ハーモニカを届けた。スーツ姿で身なりがしっかりしている、髪の長い
女性の方に声をかける。
「すつみませんこれを先程映画館で拾いましたので届けにきました」
「まぁ・・・・・・それは素敵ですね!もし
宜しければ見せて頂けますか?」
私は、事務のお姉さんにハーモニカを渡すとハーモニカを
裏返し見た後すぐに私の元に返してきた。
「申し訳ございません、そちらはこちらではお預かり致しかねます。
拝見させていただいた所そちらはお名前が記載されていますので、
学園のHPからお名前検索しご自身でお探しくださいませ!
この学園での出会いの為でもありますが規則でもありますので、
金品、又はスマフォ、お名前の無いものでしたらこちらで一時的
お預かりは可能です。よい出会いに繋がるといいですね!
本当に申し訳ありません」
この女性が一体何を言っているのかわからなかったけど、
落し物は出会いの為名前のある物は預けられず学園のHPから名前で検索をかけて
自分で探す事になる事を知る事に。
私は仕方ないのでスマフォで名前を検索すると一件だけ名前が出て来たので、
落し物を拾った事を含めてメールで送信返信を待つ事にした。
時間も考え元来た映画館に再び戻る。
先程とは逆の列を探していると学園の生徒の話し声が聞こえてきた。
「ねぇ!さっきのゆうやじゃない?」
「まさかぁ!でもさっき食堂に友松さんが居たからもしかしたら
居るかも知れないね?
でも、友松さんは恋愛する為にカフェの手伝いをしていると言っていたから
ゆうや君がこの学園で恋愛相手を探すとは限らないと思うけど?」
「でももし、学園で恋愛相手を探していたら私にもチャンスがあるかもしれ
無いと思わない?」
「もしそうなら、私ならはるき君とデートしたいなっ!でも
友松さんがよかったのもあるなっ、とても優しくて頼りになるから」
「そうかなっ私はゆうや君がいいけどなっ」
私には何の事かさっぱりわからずその場を離れると
一番後方で何か黄色い光が光るのが見え、部屋のドアを開けると
性格の玉の方から私の手の中に飛び込んで来た。
まるで持ち主を選んで来たかの様に。
私は女子寮の部屋に戻り、次の案内がある迄待つ。
先程ぬいぐるみに掛けた粉の影響かぬいぐるみはいつの間にか
繭(まゆ)の形に。
「みなさんお待たせしました。性格の玉が見つかっていない生徒の方
食堂で性格の玉をお配りしますのでお集まりください。
なお、無事に性格の玉を得られた生徒の方はそのまま
食堂の中にお入りになり、お食事をご用意させていましたので、
お食事を済ませてください。
繭と性格の玉をお忘れになりませんように」
私の場合は簡単に性格の玉を手に出来ることに少しびっくりしてしまった。
でも出会いの為のミッションでもあったから楽しめたのもあったので
それは、それで良かった気持ちも。
スマフォにはまだ祐弥君から届いて無かったので、
繭と性格の玉を持ち食堂に向かう。
食堂前には性格の玉を見つける事が出来なかった生徒で長だの列が
その中に、先程図書館で出会った涼君の姿も。
私は食堂の中に入り適当な場所に腰掛け横長のテーブルの上に
繭と性格の玉を置く。
テーブルの上には何か紙が置かれていて、アンケート用紙と
何かの呪文を唱える紙も置かれていた。
取りあえずお腹が空いていたのでカレーを食べる。
「お手元失礼します本日のデザートのチーズケーキになります
どうぞお召し上がりください、こちらは紅茶になります」
「えっ!とっ友松さんだっ!えっ嘘!どこ何処?」
恐らく先程映画館で誰かを噂していた二人組みの女性が私の目の前に座っていて
友松さんと言う方を見て喜んでいる。
茶色のスーツ姿で赤いエプロン姿。
身長百七十センチくらいで背が高く、眼鏡を掛けている。
年で言えば三十台前後くらいに見えた。
テーブルにチーズケーキの乗ったお皿とティーカップを置くと隣の
テーブルの人にも同じ事をし順に配っている。
私は、動き回りかなり空腹だった為食事を平らげ
テーブルの上のアンケートを見る。
「デートするなら何処でデートしたいですか?」
と書かれていたのでバーコードから読み解きジャングルとメールで送信」
まさかその事で後から大変な目に合う事に繋がるなんて。
私はもう一つの呪文の紙を見て、かなり怪しい感情が芽生える。
「この呪文の紙に沿ってやると聖霊が誕生するって、この学園の生徒と一緒に
生活しているの私見たの」
「まじっ!なんか面白い!じゃぁやってみよっ」
「少しは疑ったらどうなの?」
「聖霊よよみがえれ!この世に蘇れっと!」
繭と性格の玉が男性の顔の辺りまで浮き目の前で弾け青い光の魂に
その瞬間パァーっと弾けると聖霊が姿を現した。
周りに居た生徒達も同じ行動を起こし、次々に聖霊が誕生。
私も呪文を唱える。
「せっ聖霊よ蘇れ!この世に蘇れ!」
繭と性格の玉が私の顔の辺りまで浮かび黄色い火の玉に変わると
一瞬ではじけウサギの様な猫の様な感じの可愛い学園の制服姿の
聖霊が誕生した。
常にそばに連れ行動してください、あなたを常に守ってくれます。
解らない事は聖霊に聞いてくださいと、紙に書かれている。
「私はニーナよろしくね!菜月」
聖霊は私が名乗る前になぜか私の名前を口にした
「常に私は菜月に連いて行くけどもし消えたりしたら行事に参加できないから」
私はかなりツンツンしている聖霊を見てツンツンな性格の玉を
選んでしまった事を知る。
私が席を立つと聖霊は私の右肩に勝手に座り私はその場を離れ
食堂を後にしようとカフェの辺りを通りかかる。
先ほど噂されていた友松さんという方の周りにテーブルと飲み物が並んでいて
数人の女性が椅子に腰掛けていて飲み物を飲んでは楽しそうな会話をしお茶会をしている。
「あの人達ってどこか近寄りがたいんだよね・・・・・・」
「そうかなぁ?私はわからないけど」
「さっき聖霊の玉探しでカフェの近くを探そうとしたらすごい目で
睨まれて、私あの辺りを探すの辞めたの、友松さんと言う方は
とても優しくて聖霊の玉を捜してくれて無事に手に入れる事は出来たけど」
「それって結果的には良かったんじゃないの?探す手間もはぶけて」
「確かにそうだけど私は二度と近寄りたく無いかな、女性の
カフェの店員さんの時だけはカフェに行けるけど私は遠慮するよ」
「私噂で聞いたけど、友松さんは恋愛をする為にこの学園に来たわけではなく
半年の間だけカフェで手伝いをさせて貰っているみたいなの
何でもお知り合いの方の保護者みたいなんだけど」
「保護者って立ち入り禁止でしょ?確か」
「特別に許可を貰っているみたいなの、事情があるみたいなんだけど
私もそこ迄詳しく無いから」
カフェの近くを通りかかった生徒が噂をして居たけど私には興味が
無かった為部屋に戻る事にした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます