それでも僕達は明日に向かう
仲谷光琉
プロローグ
僕はただの大学生だった。
そうあの悪夢の日までは…
小さい時の話をしよう。
僕は死ぬほど強運の持ち主だった。
僕が嫌だと願えばそれが具現化し、実際に中止になることはよくあることだった。
挙句にはほしい懸賞や宝くじには全部当たり、それだけで一家に巨大な富を生み出してしまったほどに…
しかし運は|何時(いつ)かは切れるものだった。
そして大きい幸運には大きい不運が返ってくるのだ。
僕に対する幸運の代償は特に大きかった。
大学一年のある夏の夜僕の実家に強盗クループが入った。
まず一番初めの不運はこの襲撃にきたグループが国際的に有名な国際強盗グループだったことだろう。
僕の実家から金目のものはすべて次の日の朝には消えていた。
通帳は残っていたもののほとんどの財産を宝石や金に換えていたので今までのような家には住めず優雅な生活もできないといった感じになっていた。
まあ通帳に残っていた額で兄弟3人が大学を卒業できる程度にはあったので大学に通い続けることはできたが……。
もちろん警察は足取りすらつかめずに一銭たりとも帰ってこなかった。
さらに不運は続いた。
その年の暮れ。
お金が無くなったので引っ越した先での出来事だった。
たまたま僕が帰省している日だった。
愉快犯に僕の家族は全員殺された。
寝込みを襲われたため僕以外誰も大きい抵抗はできぬまま殺された。
僕の目の前で母と父は殺された。
弟と姉は僕が起きたころには殺されていた。
犯人の動機は「やってみたかった」
という許しがたく言葉では表しきれない悔しさと復讐心がわいてくるものだった。
さらに一気に不幸は続く
年を越してすぐだった。
母方の祖母と祖父は自殺した。
精神的に追い詰められてのことだとのちに分かった。
これも殺人の中に入れてほしかったがこればかりは入れてくれなかったがつい先日犯人は死刑が決まった。
父方の祖母と祖父は早くに死別しているため僕に残ったのは保険などから降りたあの忌々しい莫大なお金だけだった。
僕の最近の趣味は自殺だ。
あの現場で僕に死なせてくれなかった神に復讐するためにも僕はあいつが全力で止めたものを決行して復讐してやる。
僕はその気持ちだけで毎日を生きている。
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