猫と光を探す

@daifukunofukuchan

第1話発病

 2011年の秋頃だったと思う。その時私は謎の微熱に悩んでいた。1週間くらい謎の微熱が続く。夕方くらいから上がり始め、ピークは37度5分くらい、朝になると熱は下がる。その時私は看護師の仕事をしていた。看護師5年目、大学病院でバリバリ働いていた頃だ。夜勤ももちろんこなしていた。

 その日も夜勤で、熱が続くと同僚に訴えるとインフルエンザを疑われ、私は事中に自分の職場の救急外来を受診することになった。勤務の合間に救急外来に行き、その日の担当の研修医に診てもらった。念のためインフルエンザの検査をしたが、結果は陰性。担当が研修医で、私が同じ病院の看護師だったこともあり、担当の先生は念入りに全身を観察してくれたと思う。採血の結果も問題なかったことを説明してくれた後で、彼は私にこう言ったのだ。

 「僕の触診した感覚だと甲状腺が少し腫れていると思います。僕も専門医ではないので確かなことは言えませんし、熱の原因がこれだとは言えないんですが、一度専門の先生に診てもらったほうが良いと思います」

 私はすごくびっくりしたことを覚えている。そしてこの先生には本当に感謝している。この先生がこう言ってくれなかったら私はもっと謎の体調不良に悩むことになっていただろう。研修医であったがこの先生に診てもらえたことは本当にラッキーであったと思う。

 こうして私は後日甲状腺の専門医を受診することに決めたのである。

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