第2話
勇者召喚は成功した。
しかしある意味失敗だった。
異世界からやって来たのは何の変哲もない子供だったからだ。
「え? 子供? 勇者じゃない?」
「えっと、ここどこなんですか。また勇者召喚に巻き込まれっちゃったのかぁ」
異世界に召喚されやすいという特異な体質をしたその少年の名前は太陽。
気弱そうな性格の、どこにでもいる普通の子供だった。
「えっと、貴方何かできる?」
「マッチくらいの大きさの火を起こす事くらいなら」
「……」
当然世界を救えるような大それた力は持ってはいなかった。
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