幕間 ~進化するバーグさん~

「やっぱり最初はコメディーに行くんですね?」

 5話目を読んだバーグさんが感想をもらした。


「まぁね。なかなかシリアスなものって書けないんだよね」

 と腕組みして答える私。


「でもラストはなんかいい話に持って行こうとしてますよね」

 なかなか鋭いところをつくバーグさん。

「関川サンのいい人アピールをしているようにも見えますね」

 ますます鋭いところをつくバーグさん。


「短編だからさ、読後感っていうの? そう言うのが大事かなと」

「それはそうですね。でもちょっと中途半端じゃないですか?」


 最近のバーグさんの分析力がなんだか急に上がってきた気がする。

 それはバーグさんの外見がCGアニメになってリアルさを増してきたせいかもしれない。

 とはいえ、なんとなく不気味さを感じたりもする。なんか手書きのアニメにはない、独特の間というか、が引っかかる。

 ついでに言うとオーバーアクション気味に手を動かすのもなんか気になる。


「なんです? さっきから変な目で見て」

 と胸元を隠しつつ、ジトッという目でこちらを見つめてきたりする。


「なんかよく動くようになったなぁと改めて思ってね」

「あ! そうなんですよ。この短編が進むに連れて、あたしもなんか進化してるみたいなんです」

「みたいだね、なんかCGの歴史をおさらいしている気分だよ」

「まぁ見ててください、まだまだ進化しますから」


 たしかにゆっくりとだがバーグさんは進化している。

 このままいくと彼女はどうなるんだろう?


「そんなことより、次のお題です」

「そうだった。やっと半分を超えたね」

「はい。次のお題はですね【最後の三分間】です」

「三分ね、手っ取り早いのはカップ麺とウルトラなヒーローだね」


 だがそう言うネタなら早い者勝ちだろうし、うまいのを書く人がいそうだし。


「やっぱり北乃家書くんですか?」

「もちろん。ここまで来たら突き進むだけさ」

「実はわたしもなんだか北乃家の話楽しくなってきたんですよね、新キャラのコモリさん、いいですよね!」

「でしょう。よし。今回もコモリ君を登場させよう!」


「閃いたんですね?」

「まぁね」


 そう、まさに閃いたのだ。

 オチまで一気に。


 ということで勢いのままに書いたのが続く6作目。


『夜の街を駆け抜ける三分間の話』


 ま、あっという間の三分間です。

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