赤い月と少年と
不沈
第1話
長い、大陸を揺るがした戦争が、ようやく終わった。多くのものが、破壊され、人々は希望を失いうちひしがれていた。
それでも、一縷の望みをかけて再建に挑んでいた。まるで個々の悲しみを打ち払うかのように。
首都シロ二オから2月ほど行った山沿いの町チグワが、ある。
元々の人口は、5千を少し数えたくらいだ。
そこに数百人規模の難民が、訪れた。さすがに全ては、受け入れができないので一部は、他の土地に行くことになった。
生活の面で仕事が、すぐに無くなるように思えた。けど、それは無かった。
山の斜面或いは、森を開拓した広大な畑や新しく作られた軍需工場、一度は閉鎖したが再び再開した鉱山など逆に人手は、いくらあっても足りなかった。
だから町では難民が来てくれて大助かりだった。混乱や差別など心配事は、今のところおきていない。
ちなみにその難民のリーダーの名前は、コウメと言う名前の女の亜人だ。
ピンとした狐のような耳、黄色っぽい髪に団子鼻、容姿はそれほどでない。人間から見たらだが。彼女は、フード付きの魔道士の衣と紅い魔石を付けた杖を装備していた。
いわゆる魔法使いの彼女は、元難民たちの話を聞いて町をまわっていた。いつもの習慣だ。必要なら町長らに相談しに行っていた。
ただ、今のところ彼らは不満を抱えているように感じられなかった。
まあ、亜人のコウメを信用している普通の人間たちは、文句を言う前にこの土地に早く馴染もうとそれなりに努力をしていた。
そんななか数人の男たちが、町にやって来た。
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