あとがき



 ジゴロ探偵シリーズ、お楽しみいただけたでしょうか?

 応援してくださったみなさん、ありがとうございま〜す*\(^o^)/*


 近況ノートにも書きましたが、いちおう他サイトで書いていたこのシリーズの作品は、長編も短編も、これで全部です。唯一、『あなたに一輪の花を』っていう、ピッタリ8000字の短編があるんですが、これは妄想コンテストで大賞とっちゃったので、契約上、ほかのサイトには持ちだせないんですよ。どうしても読んでみたいかたは、エブリスタでご覧ください。タイトルで検索するか、向こうでのアカ名の東堂薫で検索していただければ、辿りつけると思います。(その後、アカ名をこっちと統一しました)


 ところで、向こうで僕の描いた表紙を集めた『かーくんの表紙たち』ってエッセイのなかで、ちょこっと書いてるんですが、僕とワレスさんのつきあいは、とても長いです。

 最初に書いたとき、そもそも、この人、主役じゃありませんでした。

 ダラダラ長いファンタジーのなかの、主役にちょっとイジワルするけど、最終的には協力してあげる脇役として出てきました。そう。脇役として誕生したんです。

 が、書いてるうちに気に入ってしまって、この人を主役にしよう……と思って書きだしたのが、まだカクヨムには持ってきてない、ワレスさんが砦で傭兵をしてるころの話。『墜落のシリウス』っていうシリーズです。今、エブリでは4話めまで公開してますが、東堂兄弟シリーズを移行し終わったら、あれもこっちに持ってくる予定です。ミステリー要素のあるBLファンタジーになってます。1話ずつは魔物を退治していく読みきりなんですが、シリーズを通した大筋のほうで、ワレスさんの好きになった人がなぜ、みんな死んでいくのか——とか、じょじょに明らかになっていきます。


 まあ、そっちの話のことは、そのうち、こっちに移行したときにでも、あらためて、あとがきで。


 で、ジゴロ探偵シリーズ。

 シリウスシリーズがあまりにもBL風味でダークなファンタジーなので、ちょっと読者層を選ぶなと思ってたので、公募用に出せるとしたら、もっとミステリー中心の話かなと思案し、あらたに書きだしたのが、このシリーズです。なので、ワレスさんが砦に行く前の二十代のころの設定です。(砦は27、8から三十代前半)

 恋のお相手が華麗な美女ばかりなので、こっちのほうがシリーズ的には人気がありますね。ジゴロシリーズは全作読むけど、砦シリーズは読まない、その逆もしかり、という読者さまのかたよりがありまして、BLが許容か、ミステリーが好きかファンタジーが好きか……という以上に、砦のころのワレスさんを応援してくださる人は、みんな、ハシェド(シリウスシリーズでのお相手)との仲が気になるんだなと。だから、ハシェドの出てこないジゴロ時代の話には興味がないw


 ワレスさんは生い立ちが複雑で、このシリーズのなかでは、まだハッキリ書いてなかったかもしれませんが、愛する人が必ず死んでしまう、ワレスさんが愛してると自覚して、相手と幸せになりかけると死ぬ——という運命の持ちぬしです。


 なので、性格にかなり癖があります。決して善人ではないし、法律も守らないし、貞操感もないし、すごく打算的だったり、素直じゃないし、難しい人です。好みはわかれますよね。応援してくださるほとんどのかたは女性ですし、同性からは嫌われるタイプだろうなというのは覚悟の上ですね。


 ただ、この人は僕のなかに一個の人格としている人なので、書こうと思えば、いくらでも書けるんですよ。


 このシリーズの第1話にしてる『輪廻の力学』も、じつは書いたのはシリーズのなかで一番最後です。去年末、エブリで募集してたイベントに出すために急遽書いたので、内容的には、ストーリーやトリックが薄かったり、仮面の恋とちょっとシチュのかぶるとこがあったりします。


 死神からの招待状が、エブリのジャンル応援イベントっていうので、佳作をとったとき、選評で、「この話だけでは全て明かされていない部分があるので、個別の作品として完成されていれば、もっと読みやすい」的なことを書かれたんですよね。明かされてない部分というのは、たぶん、ワレスさんの過去のことだろうなと。それは最初からシリーズ作品として構想してたので、最初はなんとなく暗い過去がありそうな主人公、じょじょに明かされていく秘密……みたいな流れを考えてたからなんですけどね。まあ、輪廻はそれを補うために書いた話です。


 ところで、ワレスさんは前述のとおり女性に人気なんですが、なかでも書き手さんに溺愛される傾向にありますね。自分も作品を書いて投稿しているというかたのなかに、まれにすごく肩入れしてくださるかたがいました。

 たぶん、ワレスさんみたいなキャラクターって、書き手が書いてみたいタイプなんですよね。運命に翻弄され、ほんとうは愛や正義に憧れているのに、破滅の道をたどっていく——そういう人です。


 この人とのつながりは一生続いていくと思うので、またそのうち機会があれば新作は書くでしょう。

 ジゴロ探偵シリーズも最後は砦へ行く決心をするところまでなので、できれば、そこまで書きたいんですが。


 ワレスさんは殺人犯に対して、世間一般的な正義はふりかざしません。大岡裁きというか、弱者によりそう探偵です。が、シリーズラストに近いときには、快楽殺人犯に対して怒りの鉄拳をふるう、みたいな話も書きたいなぁとか思ってるんですが、いつになることかw


 ではでは、またこのシリーズでお会いできればいいですね。

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