ルームメイトしませんか?

僕は寝転がっている。

涼子ちゃんとキスをして、涼子ちゃんが天国に旅った日から僕は霊能者として、本格的に務める事にして神人を始めた。もともと僕が後を継ぐ予定だったので家族にも了承された。

神社の境内の掃除をしたりや狛犬さん達の身がいたりしている。

お勤めが終わって夕方はやる事が無いし、晩御飯を食べたし、どこか虚無感がある。

大切な人を失った感覚だった。

枕元にある時間を見る。

七時三十一分。

やけに時間の進み方が遅い。

たった二日いただけの涼子ちゃんの存在の大きさを自覚する。

もう一週間も立つのに。

その時だった。

こん

こん

僕の使っている離れの扉をノックする音がする。

誰だろう。

母親なら大きな声で呼ぶし、弟なら声をノックなどしない。

半分焼けになっていた僕は

「はい、どちら様でしょうか?」

と答え、ドアを開けていた。

そこにはいるはずの無い女性。

会う事がかなわないはずの涼子ちゃんがいた。なぜか大きなキャリーケースを引いている。

「どうして?」

涼子ちゃんは笑みを浮かべながら、でも少し不安げに声を出した。

「あの後未練になっちゃって。成仏できなくて、それで守護霊試験を受けたの。そうしたらゲーム機の幽霊は前代未聞と言う事で守護霊になる事を認められたの。だから」

「だから・・・」

「だから・・・あのあなたの守護霊兼ルームメイトになってもいいですか?」

少し不安げな上目ずかいで聞いてくる。

僕の返事は決まっていた。

「守護霊兼ルームメイトよろしくね」


                   ルームメイトは幽霊さん 完

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