手紙

勝利だギューちゃん

第1話 クラスメイト以上友達未満

彼女が死んだ。

彼女と言っても、恋人まではいかない。

かといって、友達でもない。


じつにあっけない。

死と言う物は、まるでボウリングの玉だ。

重たいが、水には沈む・・・


クラスメイトだった女の子。

天真爛漫で自由奔放。

誰ととでも、仲良くなれた。


そう、僕でさえも・・・


僕の名は、桂木冬樹


彼女の名前は、柊美雪


彼女は、興味本位で僕に声をかけてきたと思う。

それだけと思っていた。


でも、ある共通点が、僕たちをつなぎとめる事となった。

それは・・・


【今時珍しい、アナログ人間】


僕も彼女も、スマホもカラゲーも持っていなかった。

いや、持たなかった。


彼女の友達は、不自由していたようだが・・・


なので、彼女とのやりとりはもっぱら手紙。

当然、直筆だ。


なので、届くまで最低1日はかかる。


固定電話すらしなかった。


そんな日、いつものように手紙が届いた。

家族に見られてもいいように、封書になっている。


「前略


冬樹くん、元気?

あっ、いつも会ってるね。


突然だけど、今度の日曜に、焼き肉行かない?

10時に、駅前で待ってるね。


必ず来てね。


おしゃれしてきてね。


早々


あなたの美雪」


いかにも女子高生が書きそうな○文字だ。

最後のは、もちろん冗談。


誰にでも書いていた。

いかにも、らしかった。


日曜は明日だ。

拒否権はない。


どうしろと言うのだ?

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