父さん
「クリームパンをおれの顔面に塗りたくるとはお前も知らないうちに立派になったもんだなあ」
などと
近頃、呆け始めた父が目の前のおれだと思い込んでいる奴に話しかけていた
「それ花瓶だよ父さん」
おれは指摘した
こんなに虚しい指摘は初めてだった
父さんの会社が倒産したのだ
駄洒落ではない
それから父さんはおかしくなってしまったのだ
父さんは呟いた
「今日はとてもいい天気だなあ」
どう見ても集中豪雨
ニュースを点けると幼児の列が川に呑み込まれていた
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