酒場の決闘


おれはお前を撃ち抜いた

その筈だった

既に弾丸は銃を離れている

おれは尋ねた

「お前の頭にそいつが届くのはいつなんだ?」

お前は酒をぐびりと飲んで答えた

「さあな、多分、明日の昼過ぎぐらいなんじゃないか」

おれとお前の間で弾丸はぎゅるぎゅると勢いよく回転していた

おれは椅子に深く腰掛けて考えた

「おれが撃ったんだぞ?」

「そうみたいだな」

こんな話ってあるかよ

弾丸はゆっくりゆっくりお前の方へ近付いているようだった

お前は立ち上がると姿を消した

「ちょっと小便いってくるわ」

弾丸が飛んで来ているのに!

小便!

どうかしている!

お前は戻って来ると再び同じ席に着いた

そして翌日の正午過ぎに死体となって床で転がっているのだ


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