白昼


狂ったようにカルシウムを摂取する男

それがおれだった

『カルシウムのためなら人も殺す』

そのような特殊な信念に基づいて行動をしていた

きみには到底、理解の出来ない領域だ

そこへおれは踏み込んだ

その指示を出すのも受け取るのもおれだった

おれまみれ

おれ以外にはもうクリオネと甘栗とベイブレードしかいなかった

おれは視界のバナナを握り潰した

ただの趣味だ

自分の指でそれを行なっているという自覚も無い

指の隙間からぶりゅりゅと押し出されている果肉を不思議そうに眺めていた

バナナにはうぶ毛が生えていた

最近、進化したのだ

だがうぶ毛ごときならまだ人類の勝機は揺らがない

窓の外では陽気な部隊がほっこりと進行中

そいつらは地雷を踏む度に笑みを浮かべながら白昼の空へと舞い上がった

惜しみない拍手を送れ

きみがやることが無くて暇ならば


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