ウェザーインフォメーションフォーミー


おれは画面を点けた

天気予報が始まった

大気の状態が不安定とか言っていた

おれはその画面からただ独り極秘任務を受け取っていた

「曇りのち晴れか………」

天気予報士はおれの目だけを見て話しかけていた

曇りのち晴れ

悪くはない

まあ悪くはないよな

予報士はさらに続けた

「念のため傘を持ってお出かけすることをお勧めします」

………なんだって?

おれの手にしていたコップが落下した

トマトジュースが床に散らばった

曇りのち晴れ

念のために傘だって?

おれの表情は一瞬で険しくなった

(一体、何が起ころうとしているんだ?)

耳を澄ませろ

いまだかつてない恐るべき陰謀に自分が巻き込まれつつあるのを感じた


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