目の前の皿に盛られていた

真っ白な皿だった

一体、これは何だ?

おれは思った

こんなものを見るのは初めてだ

隣りに目をやる

当たり前のような顔で皆それを口元に運んでいる

なるほど

どうやら疑問を持たずに当たり前のような顔で食べなくてはならないらしい

おれはこの真っ白な皿を見つめていたかった

だがもう無理だ

既に皿の上に置かれてしまっている

どうすればいい?

一体どうやって時間を稼げばいい?

料理を運んで来た奴はおれを不思議そうに見下ろしていた

「………どうぞ?」

おれはゆっくりとそいつを匙で掬った

そいつは自発的に匙の上から降りた


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