権蔵
「そんなこたあねこのわたしが許しませんからねっ」
地主の権蔵はリゾートホテル建設の企画書を引きちぎった
リスがほっぺたにクルミを入れながらそんな権蔵の足元を移動した
えふふ
なんて可愛らしいのだろう
権蔵はこう思った
こんな愛らしい生き物の住処を奪うだなんてどうかしている
そのような人間にはたとえ一秒たりともなりたくはない
この森はわたしが守るのだ
腰を屈めてリスを手のひらで優しく包み込もうとした
しゅるりと逃げられた
権蔵にほっぺのクルミを強奪されると思ったのだろう
この森を更地にし新しいリゾートホテルを建設する同意書に早速、署名した
最新式のブルドーザーが木々を倒しなだらかな斜面を形成していく様はまさに痛快、極まりない出来事だった
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