東京パリ

 「東京パリ」。これは少女マンガである 。昭和30年代前半「少女」に 連載されていた。題名のとおり、東京とパリを行ったり 来たりする 話で、主人公はバレエをやっていた。バレエをする少女はあの頃 よく少女マンガに出てきていた。そこでどんな話が展開されたかは 覚えていないが、芸道小説のような、バレエの精進と、ライバルと 先生と、家族の不幸とか本人の病気とか、そんなののどれかの組み 合わせだった。

また少女にとってはヒロインの着ているファッションも大いに気になるところだった。バルコニーにたたずむ少女、その着ているのがリボンやレース のついた夜着なのだが、小学生のわたしは、そのデザインが、フラ ンスの服飾雑誌「ヴォーグ」からとらている のを発見した。洋服 を縫ってもらう人の家で、「装苑」という雑誌を見ていたら 、「ヴォー グ」の紹介がされていて、なんとモデルが「東京パリ」のヒロインと同じ服を着ていたのだ。

作者の高橋真琴という人はとても美しい少女をかく人だ。どん な人だろうと何十年も思っていたら2004年ごろ西宮で、個展があって御本人がおみえになっていた。ミッシェル・ピコリ のような人だった。塗 絵を買ってサインしてもらった。

画 面一杯の顔、大きな目、目の中の輝く星。白鳥の湖のいで たち。教室で休み時間に、女の子たちはその絵をまねて描く子の机 をとり かこんだものだ。 それはそうと、高校生の頃 「少年マガ ジン」が発売になり 、その白鳥のいでたちを赤塚不二男のバカボン のパパがしているのがあった。そこではバカボンのパパはカトリ ーヌと呼ばれていた。また後年知ったが、「東京パリ」の原作者はあ の橋田寿賀子さんだとか。

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