試験開始

この村から王都までは相当な距離がある。が母さんは「風魔法で空を飛んで行けばそんなにかからないわよ」と言っていた。普通そんなこと出来る人はあまりいないが。


母さんは結構有名な魔法使いで冒険者をしていた頃があるらしい。ただ昔の話はしたくないみたいなので俺は聞こうとはしなかった。



それはさておき、俺は翌朝家を出た。もちろんスーも一緒である。家を出てスーにウィンドモードになってもらい空を飛んで王都を目指した。

村が見えなくなってきたらスーにスピードを上げてもらい、1時間で王都についた。


「スー。ここが東の王都だぞ。」


『スー!!』


国は東西南北と4つある。俺たちがいるのはそのうちの1つ、東の国だ。


前世と比べると結構変わっていた。色々と寄って行きたいがその前に冒険者学校に向かうことにした。

どこにあるかわからないので近くにいた筋骨隆々でスキンヘッドの人に聞いた。


「あの、冒険者学校ってどこですか?」


「あ?なんだ小僧……とスライム?まぁいいか。で、冒険者学校に行きたいのか?」


「はい。」


「そうか。ん?そういえば今日は入学試験だったな。小僧、受けるのか?」


「はい。」


「なら、この道をまっすぐ歩いていけ。そうすれば見つかるからな。それとさっさと行かねーと試験始まるぞ?」


「え!?そうなんですか!わかりましたすぐ向かいます。ありがとうございました。」


そして俺達は冒険者学校に急いで向かった。





冒険者学校


俺達はギリギリ間に合った。試験開始5分前だった。

母さんに時間聞いても「わからないわ。」って言っていたから朝早く家を出て余裕を持ったつもりだったから正直焦った。


母さんもしかして本当は受けさせる気なかったのか?いやそれはないな。あの人天然でうっかりさんだし。


まぁいいか。間に合ったわけだし。



冒険者学校の校庭に試験者は集められた。

ざっとみても1000人以上いるんじゃないか?

正直こんなにいるとは思っていなかった。


色々な種族、獣人、龍人、エルフなどがいてみんな装備とかもしっかりしていた。中には貴族の子もいるんだろう。高貴な装備をしていた。

なんか俺だけラフな格好で場違い感がハンパないんだが。


そんなことを考えていると獣人族の男性と人間の女性がやってきた。獣人族の男が


「お前ら!俺は試験管のディガルだ!」


「私は試験管のネフィスです。」


うるさそうな教師に静かそうな教師の試験管か。この2人は仲悪そうな気がする。なんとなくだが。


「今年は例年より数が多い!そのため2グループに分けて試験を行う!まず受験番号1~525番は俺についてこい!」


言われるがままに1~525番までがあのうるさい人についていった。


俺の受験番号は1020番だ。


「では、残りの人達は私についてきてください。」


俺達は静かな女性試験管についていった。


ここで今更だが、スーは受験番号がないのに俺と一緒に居ていいのだろうか?

まぁ何も言われてないしいいか。それにしても周りの俺を見る視線が冷たい気がする。気のせいか?

そんなことを思いながら俺は後をついて行った。




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