スライムの"スー"その3

「え!?スー!!!」


俺は信じられなかった。気配はしないが誰かがスーを魔法で攻撃している?俺はスーがやられると思いすぐ炎のもとに駆けよろうとしたが、その炎はゴブリン5体の方に向かっていった。そして


「「「「「ギャアアア!!!」」」」」


ゴブリン5体を燃やし尽くした。後に残ったのは焼け焦げた地面とゴブリンを5体分の魔石。それと炎の球体だった。


「す、スー。……おい嘘だよなぁ?………っ!

スーーーーーーー!!!!!」


誰だか知らねぇーが、絶対許さねぇー!!


「どこだ!!出て来い!!」


炎がまだあるってことは術者がまだこの炎を操っていることになる。近くに居るはずだ!


すると、炎が消え出しやがて1匹のスライムの姿に変わった。


「………す、スーなのか?」


『スースー!』


「おぉぉ!スーーー!!!」


俺はスーを強く抱きしめた。そのせいでスーは丸い形から変形しているが、今の俺はそれを気にすることができなかった。死んだと思ったスーが生きていたからだ。


「よかった!本当によかった!!」


『スー?』


俺は涙を流しながらしばらくスーを抱きしめた。


俺はようやく落ち着くことができ、スーにどういうことなのか説明してもらった。


『スー。スースー。スー。スースースー。』


「へぇー。そんなことができるのか。」


側から見たら俺は物凄い変人だと思われるだろう。だが、俺にはスーの言ってることがわかるのだ!


スーの説明とステータスでわかった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


名前 最強のスライム "スー" Lv2


体力15

攻撃力10

防御力10

俊敏性18

魔力30


スキル

物理攻撃無効


ユニークスキル

魔力魔法吸収

魔法化

同族吸収


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


これで魔法が効かない理由とさっきの炎の理由はわかった。

スーは昨日、母さんの温風を吸収したことにより、火と風の魔法化が出来るそうだ。それに、魔力のあるものを吸収すると魔力量が増えるらしい。

それに同族を吸収する事でLvアップしなくても全ステータスが上がるみたいだ。


やけに上がり幅が高いなぁ。と思ったがそういう事らしい。うん。物理も魔法も効かない上にLvアップ関係なくステータスが上がるとかもうチートだよね。

さすが最強のスライム!!


ちなみにスーが言っていた事で驚いたことが、俺とスーは一心同体の関係でどちらかが死ねばもう一方も死んでしまうらしい。そして言葉がわかるのは一心同体だからみたいだ。


「何でスーがそんなこと知ってるんだ?」と聞いてみたところ、スライム創造のスキル詳細に書いてあったらしい。スーは生まれた瞬間からその事は知っていたんだって。

スーさん。昨日言って欲しかったです。


まぁそんなこんなでスーの謎は解けた。俺たちはまだ森を進んでも良かったが、母さんが心配するだろうと思い、家に帰る事にした。


家に帰って、母さんに森に行った事は内緒でスーの能力のことだけを話した。母さんは

「まぁ。凄いのねぇスーちゃん。」と言ってスーを撫でていた。

ちなみにスーの食事は魔力を少し吸収できれば問題ないらしいので、ゴブリン5体分の魔石を母さんに見つからないようにこっそり与えた。

スーさん。これも昨日言って欲しかったです。


1日でこれほどこんなに驚いた事は今まで一度もなかった。そのせいか今日も気持ちが疲れてしまって俺はスーと早めに寝た。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る