転生
森に囲まれた田舎村にアレンは転生した。
「お?おぉ!なるほどなるほど。俺は今5歳なのか。名前は……前世と一緒だ!うん、だいたい把握できた。」
俺の住んでるこの田舎村は王都から結構な距離がある。なのでこの村の人々は皆、自給自足の生活している。幸いにも森にいる魔物は弱い魔物ばかりだし、村に襲ってくることもない。俺は母さんと二人暮らしで、母さんには苦労をかけている。俺が稼いで楽をさせてやりたいな。
「おっとそうだった!まず自分のステータスを見てみなきゃな。"ステータス"」
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名前 アレン 5歳 Lv1
種族 人間
体力 15
攻撃力 12
防御力 10
敏捷性 18
魔力 5
ユニークスキル
スライム創造
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おぉ!今までで一番良い能力値だ!
「やったーー!!」
アレンは飛び跳ね、ガッポーズなどをして喜んだ。そして再び自分のステータスをみた。
「っ!?そういえばなんだこれ?ユニークスキル?こんなの初めてだな。スライム創造かぁ。」
俺は深く考えるのはやめてとりあえずユニークスキルを使ってみることにした。
家を出て庭に行くと畑仕事から母さんが帰ってきていた。
「おかえり母さん。」
「ただいまアレン。ところでどこか行くの?」
「うん。ちょっと庭で試したい事があるんだ。」
母さんは顎に手を当て首を傾げた。
「そう。庭なら良いけど遠くに行っちゃダメよ。」
「わかった。」
俺は庭でスライム創造を試してみた。スライム創造はその名の通りスライムを創る事が出来る能力らしい。俺の魔力は現在5しかないので出来ないかもしれないが、それならそれでLvを上げて出来るようになれば良い。簡単な事だ。
「よし!最強のスライムを創るぞ!"スライム創造"」
俺はLv100 の能力値10万超えのスライムを創造した。すると、地面に魔法陣が浮かび魔法陣が光輝いてその光が消えると1匹のスライムが姿を現した。
「おぉ!魔力5でも出来た!けど、うーん。見た感じ普通のスライムだよなぁ。」
スライムはじっと俺を見ていた。俺も屈んでスライムをじっとみる。そしてつついてみた。
ぷにぷにしてるな。そういえばこうしてまじまじ見るのも触れるのも初めてだな。
俺はスライムを撫でてみた。するとスライムは気持ちよさそうにしていた。俺が撫でるのをやめるとスライムは近づいてきて、俺の足に体をスリスリしてきた。
おぉ!なんだこいつ!めちゃくちゃ可愛いじゃん!
俺はスライムを持ち上げた。スライムは物理攻撃無効を持っているのでどんなに強く抱きしめても変形するだけで後ですぐに元に戻るのだが、俺は頬ずりだけにした。
家に持ち帰って、俺は夕食の支度をしている母さんにスライムを見せて、「このスライムは俺が創ったんだ。」と言った。母さんは「まぁ。」としか言わなかったので多分信じてはいないだろう。それでもこの家で一緒に過ごすことをすんなり受け入れてくれた。スライムと言っても魔物なので反対されるかもとは思ったが多分俺に随分と懐いているからだと思う。
それから自室に戻り夕食が出来るまで時間があるので俺は本当はすぐ見るつもりだったスライムのステータスを見ることにした。スライムを俺のベッドに乗せてステータスを見た。
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名前 最強のスライム Lv1
体力3
攻撃力1
防御力1
俊敏性2
魔力10
スキル
物理攻撃無効
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名前が最強のスライムって俺がそれを望んだからか?それにしてもスライム創造って言っても俺が思った通りにはならなかったな。普通のスライムにしては魔力が多いけど、あとは普通だな。
「うーん。ステータスの創造は出来ないのか?」
俺はそう思い試しにスライム創造を使ってみた。さっきはスライム創造がどんな風になるのかわからなかったので外でやったが危険じゃないとわかったので家の中でも出来る。
「あれ?何も起きないぞ?魔力切れか?でも魔力切れだったら目眩がしたり、苦しくなるはず……」
俺は自分のステータスを見た。
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名前 アレン 5歳 Lv1
種族 人間
体力 15
攻撃力 12
防御力 10
敏捷性 18
魔力 5
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「やっぱり魔力減ってないな……ってえ!?消えてる!なんで!?」
アレンは気付かなかった。スライム創造の詳細を見たときに、
※このスキルは一度しか使えません。
と書いてあったことに。
俺がユニークスキルがなくなってることに驚いていると、スライムが俺に飛びついてきた。俺をじっと見つめてくる。可愛い。
「まぁ無くなったものはしょうがないよな。」
俺がスライムを撫でるとスライムは気持ち良さそうに『スー。』と言った。
「え!?今のってスライムの声?」
俺がスライムに聞くとスライム『スー!スー!』と言った。
「まじか!?」
通常スライムは声なんてないはずなんだが、それに今気付いたけど、目?があるよなこいつ。俺が創造したから普通とは違うのか?
俺がそんな事を思っていると母さんが夕飯できたから呼びに来てくれた。
まぁいいか。そのうち分かるだろう。
俺はスライムを抱き抱え、自分の部屋を後にした。
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