第7話
親友の健人
ルトとは幼稚園、小中学校と一緒でいつも遊び仲間であり色々な事を共にしてきた程だった。
サッカーにゲームにサバゲー、バンドを組んで学祭に出た事も。
趣味思考が似ていて一度ハマればとことんやる性格で遊びの才能には長けていた。
そんな健人の頭一つ出ていたのがルトだった。
廃墟の車修理工場でサバゲーをしていた時の事だが、ルトと健人でチームが別れ健人のチームが5人、ルトのチームが2人と健人側が優勢でゲームを進めていた。
ルトは仲間をおとりに使い健人をおびき寄せる作戦に出ていた。
健人側はそれに気付いていた、あえておとりを複数で攻撃すれば必ずルトは背後からそれを迎え打ち、一気に畳み掛けるだろうと。。
健人「お前らがおとりを攻撃だ、あいつは必ず背後からくるはずだ!そこを俺が殺る!」
他2名がおとりを攻撃に出る。
ダダダダダダダッ!
健人は半分ドアがない車の影に身を潜めルトが出てくるのを待つ。
おとりが応戦し暫く銃撃戦となった。
ダダダダダダダッ!ダダダダダダダッ!
おとりもなかなかだった。
おかしい…出てこない…
その間、他2名は弾の補充をしながら休憩していた。ルトは健人が気付いている事を分かっていてあえて作戦に乗っていたのだ。
ダダダッ!ダダダッ!ダダダッ!ダダダッ!
ルトは、呆気なく2名を討ち取り
そして直ぐに健人の背後へ回っていた。
ミーン、ミンミンミンミンミン…
夏も終わりを告げようとしていてセミが鳴く。
健人の頬を汗がつたう…
バサバサバサバサっ!
健人「そこにいるんだろー!」
気配を感じたが伸びきった草の中から鳥が羽ばたく…既に遅かった、ガチャり。
健人の後頭部に銃が向けられルトは背後に回っていた。
神家ルト「遅いよ!タケぽ」
健人「んっ…あぁ。参ったわ、、やぱルトは最強だよ!」
銃を下ろし両手を上げながら降参した。
この時のルトにはこの出来事が見えているようだった。能力とは知らずに単に悪い夢だと片付けていたのだが無意識に頭の中でシュミレートし回避していたのだ。
健人「東京って広すぎでしょ!駅の広さだけで田舎町がまるまる1つ入んね…」
健人が東京にやって来た所だった。
次は池袋~、池袋 お出口は左側です。
埼京線、湘南新宿ライン、、はお乗換えです!
車掌アナウンスが流れる
池袋で待合せをしていた健人がスマホの地図アプリを見ながらウロウロしている頃だった。
ドンっ!
あの殺人事件を起こす中年の男性だ。
健人「あっ、すみません」
顔を上げようとしたその時、刃物を持つ左手が健人の視界に入る。
健人「えっ…!」言葉が声にならず足が止まり、男はそのまま人ゴミに向かっている。
キャー!!!
一瞬で辺りが騒然となり男が刃物を振り回していた。ルトが見ていた悪夢が今まさに起きていた。
健人「やめろー!」
悲鳴を上げる女性を追いかける男を追い越し健人がタックルで飛び付く!
二人共倒れ刃物が男の手から転げるが直ぐに男が拾う。
その時だった、
建物の柱の影から飛び出してきたのはルトだった。
神家ルト「おいっ!」
男が振り向いた一瞬をルトは逃さなかった。
プシューっ!
断熱材スプレーを男の顔に吹き付けた。
男「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ー!」
男が怯んだすきに準備していたネットで男を捕獲した。
健人「ルトっ、いつの間に…」
神家ルト「タケぽっ、交番行ってお巡り呼んで来てや」
健人「あ、ああ…分かった。」
震える足を動かし近くの交番へ向かった。
あの時もそうだった…まるでこの先が全部見えているように、、健人はサバゲーでの事を思い出していた。
そしていつの間にか辺りは人だかりが出来ていて警察も何人か駆けつけてきた。
さすがに男は観念して座り込んでいた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます