俺の妹が世界一可愛いことは世界中の誰もが知っている

早龍アイ

第1話

「この子が新しくあなたの家族になる子よ」

その日俺は運命の出会いをした。

「·····どうしたの?祐」

「·····あ、」

息が止まりそうだった。あんな儚げで少しでも触れたら消えてしまいそうなほど美しい少女を見たのは初めてだった。

「祐、大丈夫?」

「あ、だ、大丈夫だよ!」

呼吸をすることさえ忘れてしまう。ここまで夢中になったのは生まれて初めての体験だった。

「ほら、あなたも挨拶しなさい·····」

「·····」

その子はずっと母さんの背中に隠れていたが声をかけられると少しおずおずとしながらも母さんの前に出てきた。そして俺と父さんに向かってこう言ったんだ。

「は、じめまして·····お兄ちゃん」

俺はその瞬間改めて実の妹に恋に落ちたんだ。きっと全世界が恋に落ちる。そんな予感がしてたんだ。

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